「ふふ、胡桃よかったね」 顔を上げれば、優しげな顔で笑う桃琴がいた。 何がよかったのかな……? 「いつかダブルデートしよう!あたしも頑張るから!」 そう言った時の桃琴の顔は“恋する乙女”のごとく、頬をピンク色に染めていた。 桃琴は渡瀬先輩に恋をしていて、 私は佐倉先輩に恋をしてる…… そう認めてしまったら、心が少し軽くなった。 「うん、私も頑張る……!」 だから自然とそう言っていた。