その王子様は私がいる方へ近付いてきた。 手にしているのは食券。 ……あ、私邪魔だから退かないと! と、思ったまではよかった。 いったい何が起こったのか、私が横にズレた拍子にお盆からラーメンが滑り落ちた。 その目の前には王子様。 「あっ……!」 気付いた時には手遅れで。 ガシャッ! バッシャ───ンッ!!