ほてった顔を隠すように、また押し入れを探り始める。 ………あった! 「“初心者でも分かる!お弁当のレシピ本”発見!」 「ふーん……初心者ねぇ…」 隣に現れて、本を覗き込む先輩。 「私、普段は料理しないんです。だから……ムリに私のお弁当を持って行かなくてもいいですよ?」 先輩の口に合わないかもしれないし、ついでに自分の口にも合わない恐れもあるし。 「そういう意味じゃねーよ。弁当楽しみにしてるからな」 私の頭をポンポンと数回叩いた後立ち上がった先輩。