「………何でもない。私もう食べたから、先に教室に戻ってるね」


お盆を持って立ち上がり、それを返却した後、すぐに学食を出た。


「えっ!?胡桃!?」と、桃琴がビックリしたように叫んでたけど聞こえないふりをした。



佐倉先輩がほんと王子様みたいな人だったら

私の心はかき乱されないよ。


あんなに裏表が激しくて私の理想と違う!って思ってるのに、

そんな裏の姿の先輩の笑顔があまりにもカッコよくて……


だからこそ戸惑ってしまうんだ。