「先輩、カレーですか」 「この前食べ損ねたしなー」 「………」 それって……私のせいだったよね!? あわあわと困っていると、佐倉先輩は手を止めて私をじっと見た。 「別に怒ってるわけじゃねーよ?何でそんなに慌ててんだよ」 ははっと屈託なく笑った顔は、なんだか可愛くて、やっぱりカッコよかった。 素の笑顔……? なんて思ったけど首をブンブンと振って、そんな考えを吹き飛ばした。 そんな私に佐倉先輩はフッとバカにしたように笑ってきたけど、 不思議とイヤな気持ちにならなかった。