厨房はクーラーが付いていて涼しいからか、ラーメンは少し冷めていた。 ……熱々がよかったなぁ。 なんて思いながら来た道を戻ろうとした時、ふと出入口に目を向けてみた。 ────王子様!? たった今、学食に入ってきた人物に私の目は釘付けになった。 周りにいる女子生徒達の、黄色い歓声なんて耳に入ってこないくらいに。 「だ、誰あれ……」