「そんなことでよかったら、全然呼んで!」 下の名前で呼びたいなんて… ………まさか、武智ってそうとうな胡桃好き? 確かにブラウニーに入れたらおいしいよね。 うんうん、と頷いていると武智がふいに真剣な瞳で見つめてきて。 「……じゃあ、胡桃。また学校でな」 そう言って改札へ消えていった。 「そんなこと、って……俺にとっちゃ重要なんだっつーの…」 改札の向こうで武智がそう呟いたなんて、私に聞こえるはずがなかった───……