てのひらを、ぎゅっと。



「さっき、こうちゃんとあの子のキスを見たとき、ほんとに悲しかった。大好きな人に彼女ができると……こんなにも苦しいんだね……」


知らなかったよ。


「大好きな人が他の子を想ってると……
すっごくすっごく、胸が痛いね…」

「……心優………」


梨帆はもっと私に抱きついた。


私も背中を撫でていた手を止めて、梨帆を抱きしめた。


「苦しかったよね。つらかったよね。
この1ヶ月…………一人で必死に生きてたんだね………」

「う……っ、う……うぅ……っ」

「……ばかぁ。早く言ってくれたらよかったのに…っ。私たち……親友でしょ…っ」


言いたかったよ、一人じゃおかしくなりそうで。


でも………


「分かってる。言わなかったんじゃなくて、言えなかったんでしょ?親友だから。……心優の優しさ、誰よりも知ってるよ、私は」

「ごめ………っ」

「うん、もういいよ。もう一人で苦しまなくても大丈夫。私も、心優と一緒に生きるから。だから心優は、一人じゃない」