「心優!」
後ろから慌てて梨帆が私を追いかけてくるけど、私は足を止めずにがむしゃらに走った。
カバンを片手に握りしめて、校舎の外へ飛び出る。
「おい、心優!無視すんな!」
校門を出た辺りで、とうとう梨帆に腕を掴まれた。
下校中の生徒が心配そうな顔をしているのが見えたけど、もう今の私にはそんなのお構いなし。
「は、なして………離してよ!」
ヒステリックをおこしていて、自分が何をしてるかもあやふや。
とにかく梨帆の腕から逃れようと、必死に手を振り回して抵抗する。
「離さない!離さないよ、絶対」
それでも梨帆は私の手を離さなかった。
私………最低だよ……。
もう、何もかも分かんないよ……。
「こっち」
もう全てが分からなくなった私を、優しく促す梨帆。
学校の近くのバス停のベンチに連れていかれて、ふたりで並んで座った。



