てのひらを、ぎゅっと。




………心優。


俺は心の中に心優と過ごした日々を思い描いた。


楽しかった時、嬉しかった時、悲しかった時、落ちこんでいた時。


あの頃の俺の隣には、いつも心優がいた。


普通に流されていく日々の中、俺たちふたりは共に慰めあって分かちあって、手を取りあって生きてきた。


心優がいなければきっと、今の俺はここにはいない。


希衣と結婚することもなければ、優希と希心を授かることもなかった。


”命の大切さ“や“絆”、たくさんの”奇跡“を
知ることもなくて、教師を目指そうと思うこともなかっただろう。


そう考えれば…心優は俺に“道”をくれた人。


これから歩いてゆく道を。


ありがとうな、心優。