てのひらを、ぎゅっと。



ーピーンポーン。


30分くらいは歩いただろうか。


いや、実際はもっとかかっているかもしれない。


正式な時間は分からないけど、とりあえず俺は目的地にたどり着いた。


そして家の玄関に備え付けられている、
四角いインターホンを押す。


しばらく待っていると、ガチャっと音が響いて目の前の扉がゆっくりゆっくりと開かれた。


「……お久しぶりです」

「あら……光希くん…?」

「はい。今日は少し用事があって……。
おじゃまさせていただいてもいいですか………?」


開いた扉の向こう側から姿を現したのは
やわらかい笑みを浮かべた心優の母さん。