てのひらを、ぎゅっと。



「ねぇ、紫苑………」


急に後ろから聞こえてきたお母さんの声。


振り向くとそこにはやっぱり、少し悲しそうに笑う、お母さんの姿があった。


「………どうしたの?」


お母さんは私の問いかけに一回だけ頷く。


そして、右手を私に差し出した。


お母さんのその右手には、シンプルな封筒がひとつ。


「なに………?これ」


私は恐る恐るその封筒を受け取った。