てのひらを、ぎゅっと。




「卒業生答辞」


私はひとつ深呼吸。


「卒業生代表、神楽梨帆さん」

「はい」


ザッという音をたてて、私は一人立ち上がる。


緊張のせいなのか、足が少し小刻みに震えた。


そしてステージの上に上がり、紺色のボックスのポケットから答辞の紙を折らないように慎重に取り出す。


卒業生や在校生、先生、来賓、そして保護者。


たくさんの人を前にして、私は答辞を読み始めた。