てのひらを、ぎゅっと。



ねぇ、忘れないよ。


ずっとずっと忘れないから。


ここで過ごしたかけがえのない日々、絶対に覚えてる。


だからさ、忘れないで。


確かに私と過ごした季節があったこと。


私がここにいたことを。


「────ありがとう、………さよなら」


一粒の雫が私の頬を伝ったけれど、拭うことはしなかった。


こうちゃんは、そんな私に気づいたのだろう。


優しく頭を一回撫でて、それからは何も言わずゆっくりと車椅子を進めてくれた。


私は、大好きな人たちがいる大好きな学校を後にした。