てのひらを、ぎゅっと。




───キーンコーンカーンコーン。


学校中に、終わりを告げる最後のチャイムが鳴り響く。


何十回、何百回。


いや、何千回も耳にしたことのあるチャイムの音が、今日初めて、別れの音に聞こえた。


さっきまで笑いが絶えなかったのが嘘のように、全員の嗚咽と鼻をすする音が私の聴覚を支配する。


誰もが別れを惜しむように、顔を歪め、
泣きじゃくっていた。


最後は笑顔でお別れしよう。


そう決めていたけど、みんなの泣き顔を見ていると、みんなとの思い出が走馬灯のように浮かんできて、私も自然と泣いていた。


「心優……っ、泣く、なよ……っ」

「梨帆、だって……っ、泣いて、る………
じゃんか………」


とめどない涙で顔がぐしゃぐしゃな梨帆に慰められたら、悲しくって寂しくって、余計に泣けた。


「じゃあ、行こっか?」

「うん……」


私はチャイムの音をひとつひとつ残さず心に刻みながら、こうちゃんに車椅子を押され、大好きな教室を出た。