てのひらを、ぎゅっと。




「でも私、病気になったことを後悔してるわけじゃないんです。確かに私、梨帆に言いました」


あの雨の日。


なんで私なの?


どうして?どうして?


狂ったように何度も思った。


「なんで私が病気にならなくちゃいけないの?本気で神様を恨みました」


だって実際そうじゃん。


この世界には自分で命を絶つ人がいる。


人の命を簡単に奪ってしまうような、自分の命を粗末にしている人がいる。


なのに、なんでその人たちじゃなくて、
選ばれたのが私なんだろう。


「涙が枯れるまで、幼稚園の子供のように泣きじゃくりました。でも………そんなことしても、きっと意味なんてなくて。
ただの自己満足なんですよ」


梨帆を見ると、泣いていた。


痛々しいくらいに肩を震わせて。


「だって、何度神様を恨んだって、何回泣いたって。現実を変えることはできないんだから」


そう、絶対に変わらない。


「時を止めてください。どれだけ願っても進んでいくんです。“生きたい”。ただそう願っていても、そんな私を無視して、時間は刻々と未来へ続いていくんです」


時計の針は止めることができてもね、世界の針を止めることは、誰にもできないんだよ。