にこやかに笑う彼女。
その笑顔に誘われるように、私もにこっと笑ってその手を握る。
華奢な体つきをしている彼女だけど、思ってたよりも力があって、ゆっくりだけどでも正確に私を教壇まで導いてくれた。
「ここでいいかな?」
「うん、ありがとね」
もう一度お礼を言う。
その子は、
”どういたしまして“
と笑ってから自分の席へ戻っていった。
それから私は、目の前の教壇に両手を添えて、自分の体を上手く支える。
あぁ、私、自分の足で立ってる。
懐かしくも嬉しい感覚に陥る。
見渡す限りに私を見つめる視線。
一人一人の顔がよく見える。
スゥー…………ハァ………。
深く大きく深呼吸をしてから、私は話し始めた。



