「憎むべき恋敵のはずなのに全然憎む気になれなかった。それどころか、もっと仲良くなりたいって思ったんですよ?」
首を傾げた希衣ちゃんのショートカットの髪の毛が、ふさっと揺れた。
窓から入ってくる風に乗って、希衣ちゃんから漂う柔軟性の香り。
なぜだか分からないけど、安心した。
私も希衣ちゃんと同じで、全然希衣ちゃんのこと憎む気になれないんだよ?
お互いがお互いに恋敵のはずなのにね。
でも、それでも憎めないのは多分、この子が悪い子じゃないって分かってるから。
すごく素直でいい子だって知ってるから。
私だって、性格の悪い子がこうちゃんの彼女だったら、少しだけ憎んでたかも。
私だったら、私だったら、って。
でも、希衣ちゃんでよかった。
「仲良く………なろうね」



