てのひらを、ぎゅっと。




狭い病室の中には、私と希衣ちゃんだけ。


いつもとは比べものにならないくらいの静寂が私を襲ってきて変に緊張してしまう。


私は何も言えず、じっと黙っていた。


っていうより、何を話していいのか分からなかったと言うほうが正しいと思う。


私がおどおどしていると、


「心優先輩」


希衣ちゃんに名前を呼ばれた。


おずおずと顔を上げると、希衣ちゃんと目が合う。


「心優先輩はまだ……光希くんのこと、好きなんですね………」


心の真ん中を射抜かれたようで、上手く反応できなかった。


急に息が詰まったように、苦しくなった。


「好き、じゃ………ないよ………」

「嘘、つかないでくださいよ……。だって好きな人の幸せを思って離れるって……本当にその人のこと好きじゃないと、できませんよ?」


ニコッと笑いかけながら私の心を正確に突いてくる希衣ちゃんは、少し小悪魔でいじわるだと思った。