てのひらを、ぎゅっと。



「じゃあ………気をつけるのよ?具合悪くなったら、すぐに先生か梨帆ちゃんに言うのよ?」

「分かってるって!お母さん、大変なのにありがとね……」


車を運転することでさえ、お腹の大きい今のお母さんにとっては大変なこと。


でも校門の前まで送ってくれたお母さんにお礼を言ってから、私は門をくぐる。


今は10時過ぎだから…………2時間目を受けてる時間かな?


誰もいない静かな廊下は少し寂しくて、
でも新鮮だった。


私は一回も遅刻したことないからね。


今日が初遅刻だ、あはっ。


”3年E組“と書かれた教室の前にくると私はいったん足を止めた。


中からは、先生が授業をしている声と、
チョークのカリカリという音が聞こえてくる。


そして、たまに生徒の笑い声が零れる。