てのひらを、ぎゅっと。



─────・・・。


『俺さぁ………サッカーボールになりたいんだよな』


あれは私たちふたりがまだ付き合っていた頃だったね。


『え?』


真剣な顔でさらっと、とんでもないことを言いだすこうちゃん。


『だってさ、だってさ。常にサッカーボールと一緒にいられるんだぜ?』


”最高だと思わねぇ?”


自慢気な顔でそう言ってきた。


いや………うーん。


最高だとは思わないなぁ………。


だってボールになるってことでしょ?


蹴られるの痛いじゃん。


それに、一生サッカーボールだなんて嫌だよ。


『俺さ、ボールともっと仲良くなりたい。サッカーボールと繋がりたいんだよね』


うーん、私にはさっぱり分かんないけどそういうもんなのかな?


サッカーが苦手っていうか、スポーツそのものが不得意な私には程遠い話。


でも………。