てのひらを、ぎゅっと。




「こうちゃんと……上手くいってる?」


ふと気がついたら、こんなことを希衣ちゃんに聞いてた。


ってか私、後輩相手に何聞いてんだろ。


答えなんて、分かりきっているのに。


「………………」


でも希衣ちゃんは私を見て、少し俯いてしまった。


とても悲しそうに、なにかに耐える表情をして。


あれ?上手くいってないのかな?


あんなに仲良さそうなのに………。


誰が見たって、どっからどう見たって、
理想のカップルなのに。


「あの…………」


そう思っていたら、今まで俯いていた希衣ちゃんが口を開いた。


「心優先輩と光希くん………前に、付き合ってましたよね………?」


希衣ちゃんの直球な言葉に少し驚いたけど………私はきちんと答えた。


「………うん、付き合ってたよ。でも、もう好きじゃないよ」


優しく希衣ちゃんを見つめ、一言。


少し心配そうな潤んだ瞳。


その瞳を見ると、希衣ちゃんの想いが痛いほどに伝わってくる。