てのひらを、ぎゅっと。



少し歩いていると、たくさんの人だかりがあるグラウンドが見えてきた。


ユニフォーム的にサッカーっぽい。


青と赤と黄のユニフォームが見えるから、きっと3チームだろう。


えっと…………こうちゃんは……。


「おーい、心優!神楽!こっち!」


声のした方を見ると、赤色のユニフォームを着たこうちゃんがいた。


背番号はもちろん、エース番号の10。


少しダボッとした服とズボンをはいているこうちゃんは、いつもの制服姿と比べると少し子供っぽく見えた。


でも、誰よりもかっこいいサッカー少年だった。