てのひらを、ぎゅっと。



9時を少し過ぎた頃、私はようやく学校に到着。


今日はかんかんに晴れていて、見事なサッカー日和だ。


「おーい!心優!」


学校へ行くと、もう梨帆が校門の前で待っていた。


梨帆は、ショートパンツに少し長いロングティーシャツ。


いつもは横に分けている長い前髪も、
しっかりと上に上げられていて、キレイなおでこがあらわになっている。


全体的にガーリーな女の子っぽい服装の私とは正反対に、梨帆はかっこいいボーイッシュな服装だ。


「ごめん!ちょっと遅かったかなぁ?」


私は梨帆のもとへ猛ダッシュ。


「いやいや!私が少し早かっただけだから大丈夫だよ」


あ、じゃあよかった。


こんな暑い中待っててくれたんだったら、すごく申し訳なかったし。


「それよりさ、体調!大丈夫なの?」


あ……。


「いやー………ね、あはは……」


私は梨帆の言葉に苦笑い。


「え!?悪いの?」


そんな私を見て、梨帆が心配そうに私の顔を覗き込む。


うーん。


実はといえば、ここ3日間、あまりよくないんだよね………。


自分でも分かる。


多分、病気は思った以上に着々と進んでると思う。


ふらつくこともよくある。


頭痛や吐き気も薬である程度は抑えられてるけど、痛くなる回数は格段に増えた。


だんだんと死が近づいてきているのが、
怖いくらいに感じ取れる。