【完】俺が消えてしまう前に



「俺は自殺することで償いだって思ってた」


「いっちゃんのばか」


「ごめん」


「ごめんなんていらないもん」


「・・・おう」


「あきのぶんもいきててほしかった」


「愛希」


「さいしょいっちゃんのことわすれちゃってたけど、いっちゃんがおちちゃったときはおぼえてたもん。すごくすごくかなしかった」


「あ、愛希ちゃん・・・!」


「なぁに?なっちゃん」


「気のせいかもしれないけど、少しだけ・・・薄くなってる」


「へ?」



俺も愛希をしっかりと見ると、確かに透けている。



「きっと愛希さんの未練が薄くなった証拠よ。さぁ、きっと次はご両親のところに行けばいいはずよ」


「・・・うん!ままとぱぱにあう!」




俺は俺自身の手を見てみた。

全然透けてはいない。
俺の未練はまだ薄くもなってないのか?