【完】俺が消えてしまう前に


-1年前の事故の日-


愛希ちゃんとご両親。
家族そろって公園にピクニックに行っていたそうよ。


「ままー!このたこさんウインナーかわいいね!」


「そうね。愛希みたいに可愛いわ!」


「えー!あきこんなに赤くないもん」


「愛希は白くて柔らかいもんな!」


「ぱぱーくすぐったいよぉ」



すごく幸せな時間。
そう、奥さんは話していたわ。

だけどそれもすぐに終わった。
食事を食べ終わった後、
お父さんと愛希ちゃんでボール遊びをしていたらしいの。



「ほーら愛希!ぱぱのボールがとれるかな?」


「とれるもーん!」


「おお、すごいぞ!じゃあ思いきりぱぱに投げてきなさい!」


「そーれっ!」


「まっすぐでいいボールだ!まま!どうだ?愛希は将来ソフトボール選手とかバスケの選手なんかに!」


「ふふっ。まだ早いわよ。愛希にもちゃーんと将来の事は決めてもらわないとね?」


「あきはね!ぱぱみたいな人のおよめさんになるの!」


「愛希・・・お前を嫁にはださないぞおおお」


「ちょっと貴方!恥ずかしいから泣かないで!」



ちょっとした瞬間だった。
ご両親は愛希ちゃんから目を離してしまったの。


愛希ちゃんはその間自分でボール遊びをして
運悪く道路側に飛ばしてしまった。


それを追いかける愛希ちゃん。

だけどちょうどその時大型のトラックが愛希ちゃんに近づいてきた。