「・・・っ!」
頭の痛みが消えたかと思うと
一気に時間は進みだした。
桃子が次々と男たちを倒している場面。
・・・俺は呆気にとられた。
あっという間に男たちは逃げていく。
ほこりか何かを払うように手をパンパンと合わせた後、桃子は七海の身を案じていた。
「も、桃子って強いんだな」
「別にそうでもないわよ?」
「いや・・・強いよお前」
「ももちゃんつよかった!かっこいい!」
「あら・・・愛希さん。お世辞でも嬉しいわ」
「おせじってなに?」
愛希と桃子が何か話しこんでいる間に、俺は七海に近寄った。
「大丈夫か?」
「見ての通り!」
「あんまさ、桃子から離れるなよ」
「・・・うん」
「お前心臓も悪いんだしさ」
「分かってる」
「あと」
「もう・・・樹君!」
「な、なんだよ」
「大丈夫だから」
「・・・おう」
なんか引っかかる。
一体何なんだ。
喉に魚の骨が引っかかったようなこの感じ。
・・・七海が誰かに似ている気がする。
・・・誰だったっけな。