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「ん・・・」


「七海!!」


「お母さん・・・?」


「俺もここにいるぞ」


「お父さん・・・」


「七海、あんたって子は・・・どうして走ったりなんかしたの!」


「へ?」


「へ?じゃないだろう。あれだけ走ったり激しい運動はするなと言っていたのに」





俺の目の前で繰り広げられている会話だ。

結局祈るだけでは我慢できずに、七海の病室まで来てしまった。



特に何かをしてあげられるというわけでもないのに。



「よいしょ・・・」


「おい!まだ起き上るんじゃ・・・」


「大丈夫だよ。お父さん」


「少し顔が青いわよ・・・?胸が痛むんじゃ・・・」


「お母さん。私ももう昔みたいに病弱すぎるわけじゃないから平気」




七海はゆっくりと俺らの方を見た。


そして少しだけ舌を出し、
茶目っ気のある顔をした。



「なんなんだよ・・・。心配かけさせやがって・・・」


「なっちゃんよかったぁ!!」


俺は力が抜け、その場にしゃがみこんだ。

愛希は笑顔で七海に駆け寄る。