「ほら、そろそろ帰りましょう?」


「うん。あ、でもももちゃん委員長と帰るんでしょ?」


「・・・こんな状態の貴女をほおっておくなんてできないわよ」


「いつも、ごめん。でももう大丈夫だから」




樹君がいなくなって、ももちゃんは自分の時間を犠牲にしてでも私の傍にいてくれるようになった。


すごくありがたいけど、すごく申し訳なくて。

何度もこうやって断っている。


だけどももちゃんは譲ってくれない。




「もうまたそうやって言うんだから。帰るわよ!!」


「ももちゃん・・・」



ももちゃんと一緒にいれば確かに心が安らぐ。

樹君がいないってことも考えなくて済むし。




「はい、鞄」


「ありがと」


「いいのよ。あ、雄大さんまた今日の夜電話するわ」



通りすがりの委員長にももちゃんは声をかけた。

委員長は笑顔でうなずき、手を振ってきた。




二人の仲は健在。

すごく羨ましいなって思っちゃう。