俺の未練。
それはきっと、七海にある。
「ねぇー樹君。この公式のやり方とかって分かったりするの?」
「んー?ああこれはな・・・」
「わっ!本当だ!すごい答えになった!」
「これくらいは俺でもできるよ」
「樹さんって結構チャラチャラしてたくせに頭はいいのね」
「悪いか?勉強はなんとなく授業受けてれば分かったんだよ。つか、教科書見ればだいたい理解できるだろ」
「・・・私できない」
「なっちゃん。そんなの気にしなくていいのよ」
「でも・・・ももちゃんだって頭いいじゃん」
「それは努力の結果よ」
「うう・・・」
水族館以来、俺は七海の事が頭から離れない。
いやもっと前から。
出会ったときから七海とは何か繋がっている気もどこかでしていた。
俺が消えてしまうという事は
もう二度と七海と会話する事もできない。
いや、むしろ未だに触れることすらできていないし。
そんなの心残りすぎる。
本当は七海の髪を撫でてやりたいし、
頬にも触れたい。
可愛い唇も、柔らかな白い手も。
少し変態だと思われても構わない。
俺は七海の事が"好き"なんだからしょうがない。