甘いアイツのお気に入り





「おい、立てよ」




さっきと違った荒い口調にビクリと身体が震える


男の子の瞳は笑ってない



あたしはこれから起こることへの恐怖で涙を浮かべた




こんなことなら来なかったのに、と強く唇を噛みしめる




バカだよね、あたし




呼び出されたからって何も考えないでやってきてさ


自業自得だよ…




もう、逃げられない―…



男の子の顔が近づいてきて、あたしはギュッと目を閉じた