甘いアイツのお気に入り






あたしが言う前に聞こえたのは、あたしがよく知ってる声で。




「えっ、矢沢くん…!?」




どうしてここに……?




「莉子ちゃん!」




あたしのもとに駆け寄る矢沢くんは



走ってきたのかな



少し乱れた髪、荒々しい息



切なそうな表情をあたしが読み取った瞬間。




駆け寄ってきたかと思ったら、矢沢くんがあたしを抱きしめた