「うん、断られるのはわかってたけどね」 「え?」 納得して、香取くんが口を開いた。 「矢沢、だろ?」 「えっ…?」 香取くんの口から出たのは、また矢沢くんの名前。みんなして、矢沢くんのことばかり 「付き合ってるって、本当なんだ」 また、その話? 違うのに。付き合ってなんかないのに 「あの、そのことなんだけどあたし……」 「莉子ちゃん!」