「翔早くん、もういいから……」 あたしの言葉に首を振って、 翔早くんは口を開いた。 「身寄りが無かった俺は、裕福な親戚のおじさんに引き取られたんだ。とても優しい人で、その人のために改心するって決めた。それからもう1つ――……」 翔早くんがあたしの頬に触れた。 「莉子ちゃんに、出会ったから」 「え?」 あたし……?