「女遊びが酷すぎる父親に、耐えきれなくなって家を飛び出した母親。 周りから見れば優しくていい父親でも裏では酒に溺れ、暴力を振るう父親だった。壊れてたんだよ、俺達家族は」 「こわれ、てた?」 いつも笑顔で優しい翔早くんからは 想像もつかないことだった。 「物心付いたときから俺は家に帰らなかったし、夜遊びする日々が続いてた。父親との関わりは生活費だけ」 震える翔早くんの手に思わず手を置いた。 耐えられない……。 翔早くんが苦しむ姿なんて見てられないよ。