あたしが知らない翔早くんのすべてを知ってるみたいで。 何だかとっても嫌だった。 翔早くんのことを信じたいけど。 複雑。すごい複雑だ。 「……なーんて。それは冗談」 「え?」 「最後くらい、意地悪してもいいでしょ?」 そう言って舌を出したあと、 茉莉さんはあたしに手を差し出した。 え?これはいったい?