「…心配させんなよ、バカ」 ちょっと意地悪な言葉遣い。はぁーと長いため息と、耳元で甘い囁き ………甘い?っていうか 「ば、ば、バカ!?」 あたしが気になったのは、抱き締められることよりもそれ。 なんであたしがバカなの!? 「バカだよ。こんなとこに呼ばれたからってヒョイヒョイくるなんか」 あたしの言いたいことがわかったのか、矢沢くんは言葉を続けた 「う゛…」 それを言われたら何も言えない。軽率だった、あたしも。