甘いアイツのお気に入り





もしかしなくてもこれは、ヤバいんじゃ?




さっきだって殴るって言ってたし、もしかしたら冗談じゃないのかも……



なんて考えながらハラハラしていたあたしの予感は、見事に的中



「悪いけど俺、気が短いから」



その言葉と同時に、矢沢くんの拳が華麗に目の前を通り過ぎていた




「う゛…っ!」




衝撃を受けて床に倒れこむ男の子を、あたしは呆然と見ていた




「ふざけてんじゃねぇぞ」



倒れ込む男の子に感情のない声で吐き捨てる