甘いアイツのお気に入り





「翔早が莉子ちゃんを泣かせるんなら、俺だってもう我慢しないから」




それだけ言うと、朝陽は教室から出ていった



はぁーと大きなため息をつく




あぁ、俺は自分から開けてしまったんだ





――パンドラの箱を









「莉子ちゃん!」




俺は学校中を走り回って莉子ちゃんの姿を捜した



言い訳じゃない



――――本当の自分を伝えたくて