「殴ったら、矢沢くんだって怪我しちゃうよ?」 「え?」 「だから、殴っちゃダメだよ」 ちょっと目を見開いた矢沢くんがあたしを見た それだけでなんだか顔が赤くなる うぅ…… あたしに言えるのはこれくらいで、悲しいけど説得力なんてまったくないんだ 「……わかったよ」 顔を押さえるあたしの前で、納得したのかそれだけ言うと矢沢くんは男の子を離した