「…矢沢、くん?」 「あ、莉子ちゃん?大丈夫?」 短髪のサラサラ黒髪を揺らしながら振り返ったのは、大きな瞳、形のいい唇、鼻筋が通った綺麗な顔の男の子 平然とあたしを見ている“その人”の手はグー つまり拳を握りしめ、その行動とは不釣り合いな人懐っこい笑みを浮かべてあたしを見た いやいや、大丈夫?じゃないでしょ 「や、矢沢くんこそ…」 「ん?俺は平気。ちょっと向こうむいてて、莉子ちゃん」