「あ、真ちゃん」
遼の車と入れ違いで、黒の車が私の隣に止まった。
哲の友達で、ギタリスト。
しょっちゅう哲の部屋に泊まりに来てるけど、ここ二週間くらい、来ていなかったみたいだ。
「今の、誰?」
「遼」
挨拶もしてくれないまま、窓を開けての開口一番に、私は首を傾げる。
いつから、いたのかな?
「誰だ、って訊いてんでしょーが?」
「だから遼だってば。楽団のバストロ君」
「ああ。楽団の奴か」
真ちゃんは、少しロバートプラントに似てる気がする。
金髪にパーマがかかってて、ちょっとだけ髭で。
……ん~…“小汚い”?
…ああ!
いやいや!小汚いのは真ちゃんであって、決してロバートプラントが小汚い訳では…!!!
ご…ごめんなさい…こんな乳首にピアス開けるような真ちゃんなんかと似てませんから!!!

