私は、哲の手を振り切った。
振り切ったら終わっちゃうなんて、そんな不安は感じずに。
綺麗な色のキャンディの入った瓶を抱えて、背中を向けた。
だけど。
疑われるのも、無理はない。
現に、2人で数時間過ごしたことは確かだし、何もしなかった、と言い切れるほど、本当に何もしなかった訳でもない。
哲は、私が真ちゃんと最後までしたと、思ってたんだ?
私、真ちゃんと寝たすぐ後に、その真ちゃんに送られて、哲に抱き付いた…と思われたんだ?
そんな…馬鹿な!!!
…とは思うけど、状況は確かに。
「…蜜、ごめんって」
そんな風に思っていたのに、哲は。
真ちゃんとキスをしただろう私にキスをして。
真ちゃんが触れたであろう私を、抱き締めた?
挙げ句の果てに、真也としたのだから、今日はもう無理だろ?と?
私の体が保たないんじゃないか、と匂わせて?

