朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



「…………………」


…哲の、匂い。

………やーべぇ…めちゃくちゃ間違えた気がする。


やっぱり、そっと入って謝れば良かった。


人間、無理は禁物よね。
無策も禁物。

ほら、会話にならない。



「き……きれいな飴…をね」

「………………」



な…なんで黙っ…
挫けそうじゃないかっ!

むしろ挫けたじゃないかぁっ!



後ろの方に、あーあー、と。

真ちゃんの苦笑する空気を感じたけれど、哲は固まったまま、じっと私を見つめていて。


不意に、苦しいほどに、抱き締められた。





「……ごめん」



なんで、謝るの。


哲の赤い髪が、頬に触れる。
耳元で、繰り返す哲の、声。

囁くような、呟くような。

浮かされたように、ごめん、と。


蜜、ごめんね、と。




やめてよ。
私、涙もろいんだから。

哲、悪くないのに。