朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



急に手を引いた私に、何を思ったのか、真ちゃんは少し慌てたように携帯を持ち替えると、ああ、嘘嘘。今から帰すよ、蜜に代わるか?、と。

私を真っ直ぐ見上げて、携帯を、差し出した。


私は。

ずくん、ずくん、と。

痛むような熱いような胸を押さえて受け取ると、ゆっくりと、耳に当てた。




「…………哲」


手放したの?
ほんとに、手放したの?

私、ほんとは帰っちゃ駄目?
真ちゃんと一緒に居た方が、いい?



何ひとつ、声にはならなかったけれど、今の私には、不安ばかりが急激に膨れ上がっていて。

もしかしたら、まだ哲と一緒にいても良いのかも、なんて思ったことすら。

真ちゃんの作った流れの一環なのかと、勘ぐった。




『蜜…蜜…!!!』


哲の声が。


『…蜜っ……な…何度……真也と2人になるなと……言ったと…!!』



思ってんだ馬鹿!!!!




………哲、の声、が…。


…………………。





「……………えぇ~…」


……哲が、真ちゃんをひとりで寄越したんじゃん……



………私が…悪いの!?



「…て……哲の…馬鹿ッ!!」


私、悪くないょ!!