「あ?蜜?居るけど?」
真ちゃんは、金髪を掻き上げながら、多分哲と…喋っている。
「……なんでョ。蜜、好きにしろって言ったの哲でしょーが」
何を、話してるんだろう…。
私、帰りたいのに。
帰してくれないの?
「……えぇ?やだよ」
ちょっと不安になる。
哲は、何を言っているの?
薄闇に目が慣れたから、真ちゃんが面白そうにニヤニヤしているのが見えるけど、どうして、今から帰る、って言ってくれないの?
真ちゃんは、ちらりと私を見ると、わざとらしく、抜き取ったまま返してくれていなかったブラを、顔に当てた。
「ちょっ……やだ!! 何して…」
かかか……嗅ぐなよッ!!
「やだってば!」
真ちゃんは、わざと私の手が届かないように体をひねると、倒したシートに仰向けに転がった。
「返して!」
「はははっ、哲、哲!蜜、帰りたいってさ!お前、手放したのにな!」
………な、んで…
なんで。
手放したとか………。
どうしてそうやって不意に。
私は真ちゃんの上に乗りかけて、ブラを取り返そうと伸ばした手を、引っ込めた。

