「さっさとヤっちまえば、蜜だってフラフラしないでいるだろうになぁ」
哲、自信ねーんだなあ。
と、真ちゃんは振り切るように大きく息を吸うと、動きを止めたままの私から手を離し、キャミソールを、きちんと直した。
「あー、痛ぇ」
「……え…どこ痛いの?」
「もーガッチガチ。どーしてくれる」
「………」
触ってみ?
なんて、笑う真ちゃんの声からは、さっきの本気な色は消えていて。
私は、知らず知らず緊張していたのか、その声にひどく、ほっとした。
「…ねぇ真ちゃん」
哲、居なくならないかなあ?
今帰ったらきっと、怒ると思うんだけど、そのまま、居なくなったり………しないよね?
真ちゃんは。
する訳ないだろ、いつも哲の手をすり抜けてるのは蜜の方、って。
2年も抱え込まれといて、何を馬鹿な事を、と。
数十分ぶりに鳴り出した着信音。
「もし、居なくなるようなら、俺がいつでも貰ってやるョ」
そう、囁いてから。
携帯を、耳に当てた。

