「なぁ、蜜」
真ちゃんは、肌に触れるのを、やめない。
やめないけれど、それは誘導するものではなくて、落ち着かせるもの。
素肌の背中を、ゆっくりと。
「蜜は、あいつが蜜の体目当てでそばにいると、思ってるわけじゃないんだろ?」
真ちゃんの顔は、見えない。
シャツ越しの胸に、頭も体も、抱えられている。
「徹底して、えちぃ空気に持って行かないの、なんでだと思ってた?」
こんなに流されやすいのに。
「最初さぁ」
蜜と、初めて会った頃。
「ほんとは、俺が持ち帰るつもりだったんだ」
あの頃、毎週ライブしてたじゃん?
毎回蜜がいたの、俺も哲も知ってたし。
色んな奴に連れてかれるのも、見てた。
ちっとも楽しそうじゃなくてなあ、って真ちゃんは。
懐かしむように、かつての私に、苦笑した。

