「…………ピアス、ない」
「あるよ」
「…唇に、ない」
哲の唇には、ピアスが。
乳首とかじゃなくて、唇。
「真ちゃん…」
私、帰りたい。
哲の唇のピアスに、触りたい。
真ちゃんのキスは、気持ち良いと思う。
ひとりの人と長く付き合えないけど、常に彼女がいて。
もしかしたら、こんな風に。
誰にでも優しくするから、長く付き合えないのかも知れない。
今だって、鳴り続けてる着信は、哲じゃなく、真ちゃんの彼女かも知れなくて。
確かに人目には付きにくい場所ではあるものの、外なのに、ためらいなく胸に触れる真ちゃんは、どんなつもりで。
私を呑み込もうとしているんだろう?
警鐘も鳴らなかった。
イルミネーションは点灯しているけれど、来たときと同じように真ちゃんと指を絡めて。
綺麗な公園を歩いたあと、再び車に乗り込んだ。

