後頭部を、手が押さえる。
ちゅ、と。
掠めるように、唇が触れた。
「…………………ッ!!!」
「…いいとこなんだよ。マジ邪魔すんなっての」
唇に、息がかかる距離で、哲と話す真ちゃん。
なにが違う?
遼と、違う。
初めて会ったギタリストとも、違う。
キスをしても。
無くなっちゃう気が、しなかった。
無くなっちゃうのは、やっぱり哲で。
もう一度、とばかりに。
今度はゆっくりと触れた唇は、
お前が悪い、と。
私に言ったのか、哲に言ったのか。
「………哲」
やだよ。
私、哲がいい。
真ちゃんは好きだけど。
私、哲がいい。
蜜、蜜、と。
真ちゃんの携帯から、漏れ聞こえる、私の名前。

